双子の姉妹の マキとマイ

涙まじりのその声に、頭上からアメが降ってきた。


勘違いしないでほしい。


『雨』じゃなくて『飴』なのだ。


床にコツコツコツっとアメが降り落ちる。


観衆の頭上にももちろん落ちてくるわけで、絵に描いたようなパニック状態だ。


「な、なんだよこれ!!」


響夏も若干焦ったように声を出す。


私は冷や汗をかきながら言った。


「マイが泣くと頭上からお菓子が降ってくるのよ。この前に泣いたときはソフトクリームが降ってきて大変だったのよ。今回は飴みたいだけど、やっぱり頭上が守れるところに来ていて良かったわ」


まだ延々と泣いているマイをどうにか、落ち付けようと宙が頑張っているみたいだ。


どうにかこうにか泣き止んだマイは私を睨みながら言った。


「マキ姉はいっつもいっつも私には内緒で、自分だけで全部抱え込んじゃう!!私だってマキ姉と頑張りたいのに、マキ姉は何もさせてんくれないじゃない!!私もちゃんとお父様とお母様の娘なのに!!いつも蚊帳の外で悲しかった!!仲間外れにされたみたいで、辛かった!!マキ姉が辛かったみたいに私だってずっと辛かったんだよぉ!」