な。なにそれ。


私は口をポカンと開けて呟くように言った。


「それは、マキ姉を…諦めるってこと?」


つまりそういうことなの??


響夏、マキ姉のこと諦めちゃうの??


私は何故だか無性に悲しくて、涙が込み上げてくる。


そんな私に気付いたのか、響夏は微笑んで言った。


「そんなわけないよ。俺は今だってマキのこと好きだよ」



「な、なら何で!!」


円香ちゃんも宙も私たちのやりとりを、静かに見守っている。


響夏は空を見上げてから、私を見つめた。


「俺はマキに後悔して欲しくないんだ。そのためには、マキが自分でどうするか決める必要があるってだけだよ。もうできることはやったし、これでマキが魔界を選んだなら仕方なかったって思うことにするよ」