マキは俺の言葉にビクッと肩を揺らした。


きっと今、そうかもしれないっとか考えてるんだろうなぁ。


そんなマキの顔を覗き込みながら言った。


「でもまだ遅くありませんよ。自分の気持ちに正直になってください。そして後悔しない道を選んでください」


マキは俺の方を見ずに何も言わなかった。


俺は立ち上がる。


「マキ様は少し後からお城に帰ってきてください。私は先に行ってますね」


きっと今は一人になりたいだろう。


俺はそう思って、マキを見ずにお店を出た。


もうほぼ、真っ暗になりかけた空を見上げる。


ああ…これでマキが俺を選んでくれなくても、諦めがつくよ。


これだけしてマキが王位を継ぐっていうなら、それはマキが考えて考えて、後悔しない最善の選択なんだろう。


それなら俺は黙って引くよ。


でも、もしこれで王位を継ぎたくないって言うなら…。



それは、全力で俺が助けてあげるよ。


後は全部マキ次第だ。


俺は背伸びをしてから、お城に向かって歩き出す。