双子の姉妹の マキとマイ

店内に入り、お互い近くの椅子に向かい合って座る。


そしてまたもや沈黙。


…さっきはマキから喋ってもらったし、今度は俺から喋ってもおかしくはないよね?


とりあえず頭を下げて、俺は言った。


「すみません。私がわがままを言ったせいで迷惑をかけてしまって…」


「いえ!迷惑だなんて!!ただ…」


そこでマキは言葉を切った。


ただ??


俺はマキの次の言葉を諭すように、見つめる。


すると少し言いにくそうにマキは口を開いた。


「何で私ともう少しいたいのかなっとは思いました」


……何で、って。


それは……。


マキの本心が聞きたいからなんだけど、そんなの言えるわけないし、そもそも正体をバラすわけにもいかないし。


俺は速攻でもっともらしい理由を考えた。


「私、内気なせいであまり話し相手もいなくて…。だから少しは自分で話しかけようと思いましたの」


よしよし、我ながらいいでき。


エマ様の性格通りだし、それらしいじゃん。


俺がそんなことを思っていると、マキはいきなり俺の手をギュッとつかんだ。


びっくりしてマキの顔を見ると、キラキラと顔を輝かせていた。


「わ、私も!!私もあまり話し相手がいないんです!!内気というわけではないんですが…こう、素直になれないというか…」


少し照れたように笑うマキ。


…か、かわいい。