双子の姉妹の マキとマイ

残された俺とマキとイルの間には不自然な沈黙が続く。


うぅ、この空気耐えられねぇ。


場の雰囲気を和やかにするのは得意だけど、『エマ様』は社交的な人じゃないからなぁ。


勝手なことできないのが大変だ。


俺が頭を抱えていると、苦笑いを浮かべたイルが言った。


「まぁ、えっと。俺先に帰ってるから。さすがに着替えまでは付き合えないし」


「え、あ、そうね」


マキも戸惑ったように返すと、そそくさとイルも行ってしまった。


そして本当の二人っきりになってしまった俺らは、お互い顔を見合わせぎこちなく微笑む。


「とりあえず、お店に入りましょうか」


提案してきたマキに連れられて無人の店内に入った。