何でやっと大好きな女に会えたのに、俺は女装してるんだよ!?


俺はドレスの裾を握りしめる。


俺の目の前にいるマキはイルと仲良さそうに話している。


マキは俺に見せたことないような安心しきった表情でイルと接している。


それを見るだけで胸が熱くなる。


俺は宙の後ろに隠れたまま、湧き上がる嫉妬を抑えようと必死に歯をくいしばる。


そんな俺に全く気づかないマキは深々と頭を下げる。


「では皆様!1時間後の戴冠式で会いましょう!」


そう言うとマキはイルの手をつかんだ。