私が目をキラキラさせて見ていると、円香ちゃんは少し照れたように微笑んだ。


「男装はしたことあるけど、こんなスーツは着たことないから結構楽しい!」


「円香ちゃん最高にかっこいいよ!!」


私がピースしてみせると円香ちゃんはガッツポーズをした。


えへへ、本当に王子様みたい!


私がそんなことを思っていると、後ろからガシッと抱きつかれた。

ほのかにラベンダーの良い匂いがする。


私がびっくりして振り向くと、そこには真っ白い肌に真っ黒のロングストレートの髪を揺らす超絶美少女がいた。


そんな超絶美少女は低い声で無表情で言った。


「『最高にかっこいい』?聞き捨てならないなマイ」


怪しく光る目に私は危機感を感じてすぐさま口を開く。


「いやぁ!最高に宙もかわいいよ!!」


そう、何を隠そう!


この超絶美少女さんは戸間宙なのです!


さすが宙!


女装でも最高にきれい!!


宙は私から手を離し円香ちゃんの横に立つ。


真っ黒のマーメイドラインのイブニングドレスに身を包んだ宙は身長が高いからどこかのモデルさんみたい!


何だか大人の女って感じで、女の私ですらドキドキしちゃう!!


どうしよう!

完璧に女子力負けてるよ!?私!?