双子の姉妹の マキとマイ

私が自分のアイディアに浸っていると、イルが声を張り上げた。


「待ったぁ!!他の結婚相手なんて…そんなの王様が許してくれるはずないよ!」


「?別に許されなくてもいいのよ」


そう、許されなくてもいいんだ。


意味が分からないって顔をしてるイルに、私は久しぶりに完璧な微笑みを浮かべる。


そして言った。


「王位を受け継いで、婚約書にサインする前に紹介するのよ」


「だから!そんなのしても王様が!!」


私はため息を着く。


あぁー…本当にバカは困るわ。


「そのときの王様は誰よ?」


「そりゃあ……。あ、そっか」


イルはようやく分かったらしく、間抜けな声を上げる。


私は頷いて言う。


「そうよ。この私がそのときには王様なの。ほら、魔界は決まってるじゃない?『王様の言ったことは絶対』ってね」