私はパタンっとドアが閉まった音を聞きながら、グラスにつがれた赤い液体を飲み干した。


もちろん『血』だ。


人間界で言うお酒みたいなもの。


ヴァンパイアにとって、血はアルコールだ。


私はお酒に弱いから普段は飲まないけど、今はとても飲んでいたい。


お酒を飲んでる間だけ、ふわふわしてて心地よい気持ちになれる。



でも、気持ちいい代わりに涙が止まらない。


ポタポタと涙がこぼれる音だけが私の耳に届く。


これが今の私。


自信に溢れた、強くて、キツイ私。


でも崩れるときは一瞬。


儚くて脆くて壊れやすい。


情けなくて情けなくて悲しくて。


また涙が流れる。