後ろから低くて恐ろしい声が聞こえた。


「マ〜イ〜??」



ビクビクっと体がふるえ、後ろを振り向かずに答える。



「ま、ま、ま、円香ちゃん……」


円香ちゃんは、ニコニコ笑いながら私の目の前までまわってくる。


ヒィィィ!!

そ、そ、そ、その笑顔が怖いよ!!


円香ちゃんは私の手首を掴むと、ニコニコ笑ったまま言った。



「今日こそ逃がさないわよ?マキはどこ?」


「え、えっとね。マキ姉はその…。病気で実家に帰ってて…」



「あーら、そーなの?ならご実家に案内してくださる?お見舞いに行きたいから」



「そ、そ、それは……」



私が冷や汗をかいて、おどおどしてると、宙が円香ちゃんに言った。



「おい、俺のマイに何するんだよ?」


円香ちゃんは口から火を出す勢いで言った。


「なら、私のマキに会わせなさいよ!?」


その言葉に響夏がキレた。



「はぁ!?マキは俺のだよ!!だいたいお前が会えるなら俺だって会いたいんだよ!!」


その言葉に円香ちゃんが固まった。


宙が響夏の口を押さえた時にはおそかった。


円香ちゃんは、静かに言った。


「どういうこと?響夏たちも会えないって」


ど、どーしよ!?