双子の姉妹の マキとマイ

中に入ると、大迷宮の大まかな説明と地図を渡された。


地図って言っても、道が書いてあるんじゃない。


この迷宮には四つの地区みたいなものがあって、その地区がどこからどこまでということが書かれてあるだけ。


もちろん、途中でリタイアすることもできる。


その四つの地区の何処かにある、四つの玉を探し出して、出口の扉にその玉を埋め込めば扉が開いてゴールらしい。


宙が言った。


「結構よくできてるな。だいたいせいげん時間が30〜40分だってよ。あまりにも時間がかかる場合は、スタッフが迎えにくるって書いてある」



「へぇー!最初は『ゾンビの町』だって!」


私は前にある扉を開けた。


おぉ!!


思わず驚いた。


「すっごいね!!リアルだぁ!!」



家などもよくつくられている。


ただ、建物はどれもすごく汚れていて崩れかけていた。


私はキョロキョロしながら、どんどん前に進む。


「マイ」


宙が私の手をつかんだ。



「え!?どーしたの!?」



「手、繋いでた方がいいんじゃない?」


宙はニコッと微笑んで言った。


私はそんな宙の笑顔に見惚れながらも、首を傾げて言った。


「え?なんで??」


宙は笑顔のまま、私の後ろを指差して言った。


「何でって、あんなのがいるから」


私はクルッと振り返った。