私はそんな彼女に笑顔を向ける。


とびっきりの笑顔を。


そしておもむろに笛を加え、威勢良く鳴らし極上笑顔のまま、敵意むき出しのクルクルちゃんを指差しながら言った。


「タブドリ。…はい?ボール渡してくれる?」


私は手を差し出しながら微笑む。


クルクルちゃんは、顔を真っ赤にしながら私に乱暴にボールを渡す。


ふふふ。


この私に勝とうなんて1億万年早いのよ!


私が勝ち誇った笑いを浮かべていると、不意に後ろから声がした。


「マキ姉……目が笑ってないよ、目が」


そこにいたのは呆れたように微笑むマイだった。


マイは、私の手からボールをとると言った。


「でも、最初より馴染んできたよね!」


そう言って、ドリブルをしながら試合にもどった。


確かに、最初よりは馴染んできた。