今にでも殴りかからんとする私を、ある女の子がとめた。


「マキ様。はしたないからおやめください!!」

髪は漆黒で飴細工のようにツルツル光るひかえめな唇。

目元はトロンとした垂れ目。

どこからどう見ても、美少女だ。


私は少し眉を下げて言った。

「だ、だって、ルルア…」

お父様は心底安心したように胸をなでおろした。


そんな姿を見て、また頭に血がのぼる。

そんな私をルルアはなだめてから、少し厳しい口調で言った。


「お兄様。マキ様の言いたいことはおわかりでしょう?今回の件については少しお義姉様も横暴ではなくて?」


そう。

この完璧な美少女のルルアはお父様の妹なのだ。