双子の姉妹の マキとマイ

そこにいた全員が口を大きくあけて唖然とした。


あの宙でさえ、目を見開き固まっている。


それもそのはず。


だって宙はまだ何もしていないもの。


認められるようなことは何一つしていない。


それなのに、お母様は宙を認めた。


お母様から優しい微笑みが消え、私に向き直る。


私は少し体を強張らせた。


お母様が私の額に小さくキスを落とした。


その瞬間。


私の指先やつま先から何とも言えない何かが、どこかへいってしまったのがわかった。


私はその場に座りこむ。


そしてポロっと一粒だけ、涙をおとした。


「マイ!!」


宙が私に駆け寄る。


宙は何がおこったかわからないらしく、ただあわてていた。


マキ姉は……大きく目を見開き、口に手をあて後ずさった。


あのお父様でさえも、お母様の顔をうかがいながら驚いていた。


そして、私は…。