「それじゃこれ」
渡された看板を首からぶら下げる
看板には
【選り取り見取モンスターだらけの喫茶店にいらっしゃいませんか?手取り足取り教えちゃいます】
意味わからん
手取り足取りって
喫茶店でなにやるのよ
てかダサい看板
そう思いながら桃夜の元へ
でも、海羽と話ししてるし声かけらんないな
「…凛!」
桃夜が気づいて呼んでくれた
「えー海羽がいくぅー、凛変わってあげるよぉー」
海羽が変わるって言いながら看板を取ろうとする
グイッ
「!?」
「…俺、こいつと行くから、お前要らない」
「なんでぇー?」
桃夜は冷たい目で海羽をみてるなんかあったのかな?
「…行くぞ」
そのまま腕を引かれ引きづられながら歩く
足の長い桃夜のスピードに私が並んで歩けもなく
「ちょっ、桃夜速い」
ピタッ
ドンッ
「イタッ、速いって言ったからって急に止まんないでよ」
そう
急に止まった桃夜の背中に勢い余ってぶつかって鼻を打ってしまった
ちょっと涙目で見上げると
心配そうな顔で
「悪い、大丈夫か?」
クイッ
無理矢理、顎を持ち上げられ桃夜と向き合った
「…ッ大丈夫!行こ?」
「…。」
どうしたんだろ
「とう…」
チュッ
「!?」
「…痛み止」
桃夜は悪戯っ子のように笑いながら、私のぶつけた鼻に軽くキスをした
「///な、な、なにすんのよ!」
「…キス」
しれっと言いやがって
「…店回るぞ」
強引に手を引っ張って今度は私の歩幅に合わせながら歩き始めた


