海羽と空羽に話をするため幹部室に戻った



「あっ!桃夜ぁどこいってたのぉ?」






「…海羽と空羽に話がある」




「なぁに?」





「…海羽離れろ」




「いーやぁだぁ、桃夜は海羽のぉ」





「…いい加減にしろ、お前俺のこと好きじゃねぇだろ」




「!?」





薄々感じてた
言っちゃ悪いが女に困ったことはない



だから分かる


好意があるかないか


こいつは上辺だけ

凛に見せつけるように俺に近寄る



「…なんの為に俺らや凛に近づく?」




「チッ、空羽ばれたぁー」




「…そうだねぇー」




今まで喋らなかった空羽が間延びした声で喋りだした




「バレちゃったけど、理由は言えないなぁー」





「…なぜ?」





「だって君たちに言ってもなにも変わらないからだよ?

知ってる?


人間ってね、出来ることに限りがあるんだよ?

なのに他人事に首を突っ込んで中途半端に放置する

残酷な生き物だよね」



そう話す空羽は
どこか遠くを眺め



憎しみ悲しみ憤りを含む瞳で俺たちに話し出した





「大丈夫、特に炎狼に手を出す気はないから

…でも邪魔しないでね?」





「…ッ」




有無を言わせないオーラを纏っている空羽は


あの間延びした声からは想像ができない姿だった




「あ!文化祭は楽しくやるから大丈夫、



…守りたいなら15に気をつけてね」





15それは日付なのかなんなのかはわからないでも



毎月15日に気をつけなければと思った



「じゃぁ、帰るねー海羽行くよー」





「はぁーい、」