Break Butterfly





「…綺麗だ」




たぶん私以外の人には聞こえなかっただろう




でも
桃夜は微かに聞き取れないぐらいの小さい声で




綺麗だと言った





綺麗?
私が?






ありえない






こんなに血で汚れてるのに





桃夜が言った一言が嬉しかったでも間違ってる





今まで感じたことのない感情が私の中に渦を巻きつつある





でも私は気づかないフリをする




気づいたら後戻りはできない





「さぁはじめよ…桃夜」





なんでだろう
桃夜の目を見つめると凄く胸が苦しくなる