宮間探偵事務所事件ファイル 4




「イエ……莉央さ……あ、名前も違ってたりします?」


湯呑みをテーブルに置いて柚季ちゃんがこっちを見る。


「いや、名前はそのままだから大丈夫」


「莉央さんが謝ることないですよ。美人さんでしたし。私、男だったら間違いなく惚れてました」


ふふ、と笑う柚季ちゃんの頭をぽんぽんと軽く叩く。


笑顔が痛々しい。


「無理しなくてもいいんだよ」


「…………うぅ……怖かったぁ……ごめんなさいごめんなさい」


じわりと涙を浮かべる柚季ちゃんの頭を寄せ、肩を貸す。


柚季ちゃんが落ち着くまで背中を撫で続けた。