それから5日後。
今日でレポートを完成させる予定だ。
そうなると、明日から莉央さんに会えないな……。
目を伏せて階段を下りた時、サラリーマンにぶつかった。
「あっごめんなさい」
とっさに謝ると、サラリーマンをちらりと私を見て、片手を挙げて人込みに紛れた。
こんなんじゃダメだ、と両手でぱちんと頬を叩く。
そこでホームに入ってきた電車に慌てて近寄る。
『莉央さんに会えないかな』という下心を持って時間を遅らせたが、結局この1週間、電車内で莉央さんと一緒に過ごした。
今日もいるかな、と女性専用車両を確認せずいつもの車両に乗る。
周りを見るが、背の高い莉央さんの頭は見当たらない。
別の車両に乗ってるのかな?
それだけで気分は落ちてしまう。