1週間経ったが、対象はまだ捕まらない。


警察……というか、晋介からも、捕まったという知らせや被害届が出されたという話は聞いていない。


「そろそろ動きそう?対象がか?」


晋介と電話をしているルークが眉をひそめた。


「……あぁ、秋山刑事の勘か」


秋山刑事の勘は、よく当たる。


それに何度か助けられたこともある。


もうエスパーの域だ。


「……解った。ああ、また電話する」


ルークは携帯を閉じる。


「また秋山刑事の勘か。注意しなきゃね」


学が少し掠れた声で言った。


「あ、俺行ってくる」


時計を見て外出の支度をする。


「うん。気を付けてねー」


依頼のため、あるカフェに向かう。