それを聞くなり柚季ちゃんは顔を上げ、笑顔になる。 「ほんと?約束だよ!」 罪悪感が湧いたが、仕方ないと自分に言い聞かせる。 「うん、約束ね」 そう言い、立ち上がろうとした時、柚季ちゃんが「きすして!」と、真っ赤な顔を上げて目をギュッと瞑る。 ……これもまたセコイ手だが……。 そっと柚季ちゃんの前髪を手で上げて、額に軽く唇を付ける。 「ココは、お嫁さんになる時にね」 不満気に目を開けた柚季ちゃんの唇に人差し指を当てて言う。