宮間探偵事務所事件ファイル 4




「柚季ちゃん?」


「……ゆずきがおとなになったら、お兄ちゃん、の」


しゃくり上げながら柚季ちゃんが言う。


「俺の?」


「……およめさんにして!」


頭を撫でていた手が止まる。


この年で、こんな小さい子にプロポーズされるとは思わなかった。


ハッキリ断るのも泣かれるだろうし、だからといってその場しのぎで受けることも出来ない。


セコイ手だが、こう言うしかない。


「柚季ちゃんが大人になりよった時、まだ俺のことが好きやったら、俺のお嫁さんになってくれる?」