「柚季ちゃん?」 「……ゆずきがおとなになったら、お兄ちゃん、の」 しゃくり上げながら柚季ちゃんが言う。 「俺の?」 「……およめさんにして!」 頭を撫でていた手が止まる。 この年で、こんな小さい子にプロポーズされるとは思わなかった。 ハッキリ断るのも泣かれるだろうし、だからといってその場しのぎで受けることも出来ない。 セコイ手だが、こう言うしかない。 「柚季ちゃんが大人になりよった時、まだ俺のことが好きやったら、俺のお嫁さんになってくれる?」