見てしまったからには放っておけない。 女の子の前にしゃがみ、視線を合わせて声をかける。 「どないしたん?」 服も肌も汚れてないことから、転んだわけではないと判断する。 「……たたかれたの」 涙でぐちゃぐちゃになった顔を上げ、小さい声で答える。 「同じクラスの子に?」 コクリと微かに頷く。 「ケンカでもした?」 ふるふると首を横に振る。