「え……」


彼女の名前に驚きを隠せず、多分顔にも出た。


「参ったな……」


思わず素の口調で呟いた言葉は彼女には聞こえていなくても、マイクを通してルークと学に聞こえたらしい。


『どうかしたか?』


『莉央?何かあった?』


学お手製のピアスに似せたイヤホンから2人の声がした。


「あの……?」


ついでに彼女も首を傾げた。


「ああ、何でもない、よ。私は、東屋莉央。また会えるといいね」