「どうかしましたか?」 私がぼーっとしていたからか、女性が首を傾げて訊く。 そんな仕草も素敵! ついでに低めの声も素敵だ。 「いえいえいえ。何でもないです!」 同性相手にドキドキする胸を押さえ、神様は不公平だと思ったところでガタンと電車が揺れたが、女性が肩を支えてくれた。 よく見ると、女の人にしては背が高い。 自分が158センチだから、175ちょい? モデルさんかな? 「ありがとうござい、マス」 支えてくれた手を見て、お礼を言う。