「──て。起きて」
声をかけられて目を開ける。
ハッと振り向いて窓の外を見ると、電車は走行中で、まだ降りる駅ではないと景色から判断する。
寝てたのは2、3分だったようだ。
乗り過ごさなくてよかった……。
「目は覚めた?」
さっきと同じ声に、顔をもとに戻す。
目に入ったのは、ライトブラウンの髪を肩甲骨のあたりまで伸ばし、切れ長の目で私を見る女性。
薄く上品そうな唇にはルージュを引き、すっと伸びた鼻筋。
パンツスーツに、ストールを巻いたスタイルでカッコいい。
お姉様とお呼びした……おっと失礼。
とにかく、めっちゃ美人!