宮間探偵事務所事件ファイル 4




「当たり前でしょ」


葬式にも来なかったクセに、アンタがそれを言うのか。


「ごちそうさま」


鞄を持って立ち上がる。


「もう行くのか?」


「ケーキを食べたら帰るって言ったはずだけど。それに、アンタと話す事はもうない」


「だが……」


2、3歩進み、男の真後ろで足を止める。


「これ以上引き留めるなら、この場で締め落とす」


いくら相手が成人男性でも、無防備な後ろからなら出来ない事もない。


「怖いな。仕方がない、また来月な」


ふっと男が笑って言った。


「そういう風に育てたのはアンタでしょ」


もう一度ごちそうさまと言って店を出た。