「そう?気を付けてね。じゃ、行こうか」
莉央さんが立ち上がって言う。
みんなも帰り支度をして、事務所を出て行く。
テーブルの上のカップを片付け、ソファーに落ち着いたところで、資料に目を落としたままのルークが口を開く。
「何か言いたいことがあるのか?」
鞄からさっき受け取った封筒を出す。
「これ、ここに来る前に、莉央さんのお父さんから受け取ったんだけど──」
そこまで言ったところでドアが開く音がして後ろを向く。
「瑠稀ちゃん、アイツに何かされたの?」
「莉央さん!?どうして……」
「忘れ物取りに来た。何かされたの?」
険しい顔をした莉央さんが再び問う。

