「……思い出すのも嫌でしょうけど、話せますか?」
莉央さんの笑いが収まった頃、ルークが1つ溜め息を吐いて友紀を見ると、友紀がぽつりぽつりと話していく。
その内容を莉央さんが紙に書いていく。
友紀の話が終わると、外は大分暗くなっていた。
ルークは友紀と梨沙がどうやって帰るのか訊いたあと莉央さんと学に指示を出す。
「学は電車だったな。斉藤さんを送って行ってくれ。莉央は、2人を駅まで送った後、新妻さんと瑠稀と潤佳を……」
「あ、あたしまだここにいる」
その言葉を遮って言う。
「……まだ、何かあるのか?」
「うん。歩いて帰るから、莉央さんはそのまま上がって大丈夫ですよ」

