宮間探偵事務所事件ファイル 4




「たくさん書き込みしてある教科書見たことあるから、ちゃんと勉強してると思うよ」


2人に向かって言うと、ルークの視線が突き刺さる。


その視線を無視しながら、夏にした大掃除でたまたま見た教科書を思い出す。


学園長と田沼教頭に貰った教科書以外のテキストなども、ルークの私物が入っている棚に並んでいるのを見たから、勉強家なんだと思う。


「へぇ……教頭に言っとくな」


面白がっているような表情の天野さんと、微笑んでいる伊吹さんがまた来る、と事務所を出て行く。


「それで、何の相談だ?」


溜息を1つ吐き、ルークがあたしたちを見る。


「あ!そう!相談があって来たの!」


「その内容を訊いているんだ」


αの2人で本来の目的を忘れかけてた。


まぁ、梨沙と友紀の緊張は大分ほぐれたみたいだし、いいか。


「痴漢を捕まえてください!」


「……一から説明しろ」