「たくさん書き込みしてある教科書見たことあるから、ちゃんと勉強してると思うよ」
2人に向かって言うと、ルークの視線が突き刺さる。
その視線を無視しながら、夏にした大掃除でたまたま見た教科書を思い出す。
学園長と田沼教頭に貰った教科書以外のテキストなども、ルークの私物が入っている棚に並んでいるのを見たから、勉強家なんだと思う。
「へぇ……教頭に言っとくな」
面白がっているような表情の天野さんと、微笑んでいる伊吹さんがまた来る、と事務所を出て行く。
「それで、何の相談だ?」
溜息を1つ吐き、ルークがあたしたちを見る。
「あ!そう!相談があって来たの!」
「その内容を訊いているんだ」
αの2人で本来の目的を忘れかけてた。
まぁ、梨沙と友紀の緊張は大分ほぐれたみたいだし、いいか。
「痴漢を捕まえてください!」
「……一から説明しろ」

