「何?」
「瑠稀の知り合い?2人とも、声がαに似てるね」
梨沙は手に持っている袋をぎゅっと抱いて、笑顔を浮かべる。
「え、あぁ……うん……」
本人だし。
ファンでも本当に気付かないんだ。変装すげぇ。
「ナニナニ?俺らのこと知ってんの?」
天野さんがソファーの背に肘をついてこちらを向く。
「天野さっ……!」
自分からバラしてどうする!
「『俺ら』……?ってか、名字も……」
「まさか……」
首を傾げた梨沙の横で友紀が呟く。
「どーも、αでっす」
梨沙と友紀の動きが数秒止まり、
「「ええええええ!?」」
叫んだ。

