「まぁ、そないなトコや。やけど、受け取った物はそれだけや。破くなり燃やすなり、好きにすればええ」


「そうですか。では、こちらで処分させてもらいます」


資料を鞄にしまう。


「用件はこれだけですか?」


「あぁ、待って。莉央と……会って話がしたいんやけど……莉央は、元気か?」


「……先日、電話で話したばかりでしょう?随分と嫌われているようでしたけど……父親面ですか?」


なぜか、自分の父親の顔が出て来て、顔をしかめる。


「……君も、随分『父親』を嫌っとるようだな」


「記憶している限り、どうしようもない男でしたから、嫌うのも当然かと。そのクセ、月に1回、養育費を渡すと言う名目で会って、父親面するんですから」


フン、と鼻を鳴らして髪を耳にかける。