「バレとったのか」
50代半ばくらいの男性は、尾行していたことをあっさり認め、こちらに近づいてきた。
「20分しかないので手短にお願いします」
「まず、これを渡しておく」
男は、A4の茶色い封筒を差し出す。
それを受け取り、中を見ると、莉央さんや学、潤佳ちゃんやあたしが写っている写真が数枚とSDカード、事務所で見るような書類──報告書だ──が入っていた。
「探偵か何かに依頼したんですか?莉央さんを──息子を見つけて欲しいって」
男性は、どこか莉央さんと似ている、若い頃はさぞモテただろうという顔で苦笑する。