翌日
学校を終えて、挨拶をしながら事務所に入る。
「なんだかスッキリした顔してるね」
お茶を運んで定位置につくと莉央さんが言った。
「お父さんとちゃんと話したら色々誤解っていうかあたしが知らない事だらけで……。
これから徐々に仲良くなっていく予定です」
「そっか。よかったね」
「はいっ」
「瑠稀ちゃんのお父さんってどんな人?何か、強そうなイメージしかないんだけど……」
学が小首を傾げる。
「よく知らないけど、IT関係の仕事してる。強そうって、別に筋骨隆々って感じじゃないよ。まぁ、あたしの──」
横にいる学の腕を捻る。学がギブギブギブ!と叫ぶ。腕を放してやる。
「──こういう技術はお父さん仕込みですけど」
「へぇ」
莉央さんが関心を持ったように相槌を打つ。

