「…………あの、莉央さんの高校の同級生に、莉央さん以外の『リオ』さんっていました?」


「んー……あ。1人いた。女子だけど。それ以外は俺が知る限りはいなかったと思うよ」


かぁっと柚季ちゃんの顔が赤くなる。


「えっと、えっと……じゃあ、髪は?莉央さんの高校時代の髪型は?」


「もっと短かったよ。色は今よりも暗い茶色」


「あ……ぁ……うぅん……」


柚季ちゃんは唸ると、何やらぶつぶつと呟く。


それから少しして、恐る恐るといった様子で口を開く。


「えぇと……『リオお兄ちゃん』……?」


「何?」


微笑んで返事をすると、先程よりも柚季ちゃんの顔が赤くなる。


「あの、私のことを覚えておいでですか……?」


「うん。柚季ちゃんと目元がそっくりなお母さんは元気?お父さんには会ったことないよね?」


はぅあっ!と柚季ちゃんは綿毛布を被る。