「柚季ちゃんはどうしたの?まだ4時だよ」
学と俺の布団の間に座った柚季ちゃんに綿毛布を渡すと、お礼を言ってそれを膝にかける。
「……嫌なこと思い出しちゃって目が覚めちゃいました。看病してればそれも紛れるかなって」
と言う表情から、綿毛布を受け取る時に服の間から少し覗いた肌が赤く擦れていたのは見間違いではないと判断する。
「じゃ、それが紛れるまで話でもしてようか。散々寝たから眠気も吹っ飛んだし。暇潰しに付き合ってくれない?」
「……具合悪くなったり眠くなったらちゃんと言ってくださいね」
柚季ちゃんもね、と返すと、こくんと頷いた。
「……莉央さん、大阪出身って聞いたんですけど、どの辺りですか?」
その質問には、母が再婚してから住んでいた地域の名前を挙げる。
「えっ!?じゃ、じゃあ、学校は?」
これには、通っていた高校の名前を挙げる。