宮間探偵事務所事件ファイル 4




莉央さんとあたしがカップを空にした頃、ルークが口を開いた。


「落ち着いたか?」


「……うん、ありがとう。瑠稀ちゃんも、さっきはごめんね」


さっき?と首を傾げ、受話器を奪うようにして取った事か?と思う事にして、大丈夫ですよ、と答える。


「父親か?」


「……そう。ごめん、迷惑かけるかも」


「それは構わないが……。大丈夫か?今日はもう上がっていいぞ」


「……そうさせてもらう」


莉央さんはハンガーに掛けてあったジャケットを取ると、力のない声でお疲れ様、と言って出て行った。