「お粥持ってく?」


味見をしている瑠稀ちゃんに言う。


「そうだね」


瑠稀ちゃんが両手で土鍋を、私はお椀とレンゲ、小さめのお玉、水が入ったコップを載せたお盆を持って和室に行く。


学(?)さんは宮間さんと話していて、莉央さんは寝ていた。


「昼飯だ。ありがたくいただけ」


瑠稀ちゃんは鍋敷の上に土鍋を置く。


「うぇ、あ……ハイ。いただきます……。えと、初めまして。小泉学です」


怯えた様子で瑠稀ちゃんから目を逸らし、目が合った私に掠れた声で自己紹介をした。


「宇佐美柚季です。具合、大丈夫ですか?」


「おかげさまで大分良くなりました」


「それはよかったです」


「あ、お粥2人分入ってるから半分残しといて」


「全部残さず食えって言われたらどうしようかと思ってたところだよ」


いただきます、と手を合わせてお粥を口に運ぶ。