瑠稀ちゃんが鍋を出したところで宮間さんが洗面器とタオルを持ってキッチンに来た。
「あ、ごめんなさい。私そのままで……」
「いえ、大丈夫です。出す手間が省けたので。瑠稀、何か食べさせるんだろう?どれだ」
宮間さんは洗面器の水をシンクに流し、新しく水を入れる。
「目、覚めた?」
「ああ。だが、莉央はまだ無理そうだから、着替えさせて薬だけ飲ませる」
「じゃあ、お粥温めたら持ってく。薬はそこ」
瑠稀ちゃんがテーブルを指差し、食器棚からコップを出すとそれに水を入れる。
宮間さんが洗面器を左腕で抱え、右手でコップを受け取り薬も持って和室に戻る。

