「はい、寝かせてー」
ルークは莉央さんを布団の上に寝かせる。
その体の上に柚季ちゃんが布団をかける。
「学も……」
と学を見た瞬間、ふらっと学の体が傾いた。
ルークがそれを受け止め、隣の布団に寝かせる。
学の上にも柚季ちゃんが布団をかける。
柚季ちゃん優しい。
冷蔵庫から出した冷却シートを2人の額に貼り、少し様子を見てから和室を出る。
「あ、これ、うちの所長ね。怖い顔してるけど、変なことしなければ無害だから大丈夫」
あたしの散々な言い様に柚季ちゃんはバッとルークを見るが、本人はいたって飄々としている。
「所長の宮間です」
「宇佐美柚季ですっ」
きれいにお辞儀をしたルークに柚季ちゃんはお辞儀を返す。
「あたし、ルーク連れて買い物してくるけどいいかな?」
「うん。私に何かできることある?」
「じゃあ、起きたらお粥食べさせてくれる?」
わかったと頷く柚季ちゃんに、鍵を掛けたらあたしたちが帰ってくるまで開けちゃダメだよ、と言い残してスーパーに向かった。