「そうだけど……もしかして今、関西弁になってた?」
うん、と頷く。
「小3の時、千葉から大阪に引っ越して、大学でこっちに来るまでそこで暮らしてたの。だからうつっちゃったみたい。よく、関西弁ってうつるって言うよね?そんな感じ。こっちに来てからは標準語に戻ったんだけど、気を抜くとたまに出ちゃうんだよね」
気を抜けるほどリラックスしてくれたってことだよね。よかったよかった。
「あ、じゃあ、莉央さんとは大阪にいた時からの知り合いなの?」
「え……?」
なんとなく訊いてみた時、お風呂が沸いたことを知らせるメロディが鳴る。
「お風呂沸いたから、入ってきて。着替え、あたしのでいい?」
「あ、うん。ありがとう」
柚季ちゃんを浴室に案内してから自分の部屋に戻る。
タクシーに乗る時に外したレシーバーを机の上に置き、制服を脱いでシャツ、パンツを着てカーディガンを羽織る。
それからTシャツとショートパンツとパーカーを出す。新品の下着とニーハイも出す。
それを持って洗面所に行く。