宮間探偵事務所事件ファイル 4



あたしが笑顔で話しているからか、何を勘違いしたのか男は何かを求めるように必死に喋り出す。


「大人しそうな子かい!?腰が細くて、胸が小さい……」


友紀は胸が無いことを気にしているから、やっぱりコイツなんだろう。


続けて口にする条件も当てはまる。


「確か、先週の火曜日に、」


「──その汚い手で触ったの?」


笑顔を消し、デスクを膝で思いっきり蹴る。


小さく悲鳴を漏らしてビクリと体を揺らし、顔が真っ青になった痴漢を見下ろす。


「あたしの大事な友達なの。──アンタ、地獄に堕ちればいいよ」


そう言い放つと駅員の方を向いてデスクを蹴ったことを謝る。


事情を察してくれたようで、右手を振った駅員に頭を下げて部屋を出る。