宮間探偵事務所事件ファイル 4




痴漢が隔離されている部屋のドアをノックすると、男の駅員さんが出てきた。


「少し、あの人に話があるんですけど」


痴漢を指差すと、駅員は怪訝そうな顔をする。


「ちょっとだけです。お願いします」


頭を下げると、渋々といった様子で部屋に入れてくれた。


中に入ると、ルークは扉に寄りかかり、あたしは痴漢の前にあるデスクに肘を付いて体を曲げる。


「ねぇ、おじさん」


笑顔を浮かべて、俯く痴漢に声をかける。


顔を上げた痴漢に、そのまま続ける。


「これと同じ制服着た子に痴漢した?」


制服が見えるように立ち上がり、自分の耳に上あたりに手をやる。


「背がこのくらいで、細い子なんだけど」