『ゆずきがおとなになったら、お兄ちゃん、の……およめさんにして!』


そう言った小さな私は泣き顔だ。


『……柚季ちゃんが大人になりよった時、まだ俺のことが好きやったら、俺のお嫁さんになってくれる?』


お兄ちゃんは微笑んで言った。


『ほんと?約束だよ!』




ぴぴぴ、と目覚まし時計のアラームで目が覚めた。


そして、小さく呟く。




「リオお兄ちゃん──」