『…よっ、』 突然響いた声。 その聞き覚えのある声にわたしは目を見開いた。 『ひっ…ひか……あ、鈴鹿先輩…。』 川崎先輩に似ている、今わたしを一番悩ませている人だ。 『…一人…彼氏は?』 彼氏という言葉が妙に協調されているように聞こえズキンと心臓が痛む。 『…今日は一緒に帰ってないんです。一人で帰りますからご心配なく。』 すたすたと先を急ぐ。 この人と一緒にいるといろいろと面倒だ。