『…麗奈…。』 『…お兄ちゃんはほっといて。近寄らないで…。』 あんなに優しかった麗奈は母親も俺も拒絶した。 話さなくなったし、笑わなくなった。 でも学校にはきちんと行っていたから安心はしていた… でも、その時から麗奈は明らかに様子が変わっていった。 『ただいまぁ~。』 数か月ぶりに聴いた麗奈の声はあっけらかんとしていて拍子抜けした 『れ、麗奈っ!おかえ…』 久しぶりに麗奈の明るい声を聴いたと思ったのも束の間、階段を下りてきていた俺を 空気のようにすり抜けた…