…俺はタバコをしまった。






すると、安堵した表情を浮かべる文香を見ていると






自分を保っていられることができないかもしれない。







…このまま、一緒にどっか行く?






なんて…一か月前は軽く言えたかもしれないが






もう…そうはいかない。






俺には仕事がある。






日向絢斗を処分するという





…仕事だ。





…正確に言うと反対だが…





『水無月文香を絢斗くんから奪ってよ。そうしないと絢斗くんはあたしのモノにならないでしょ?』





無機質に響くその声が





…俺の脳に流れて、止まることをやめようとは






…してくれなかった。