私が目を覚ましたとき、一番近くにいたのは春仁さんだった
「おはよ…」
私は重いまぶたをこすりながら言った
「おはよう」
そお言いながら頭を撫でてくれる、本当に職業からは想像もつかないような優しい顔で私の心臓も朝からフル活動…
それに気づいたのか春仁さんはちょっと笑って
「朝ご飯はパンでいい?」
と聞いてきた
「すいません…」
と一言言ってテーブルに向かった
二人で無言でパンをかじる、知ってか知らずかパンには私の好きなマーマレードジャムを塗ってくれた
「今日部活ある?」
「今日は土曜日なんで部活はないです」
「よかった~!じゃあさ!今日は出かけよう?いいでしょ?」
そう言って顔を思いっきり近づけられる、ちっ近いよ~!! 私が間違ってちょっとでも動けばそこには唇って感じで…
「分かりました」
としか言えなかった… 楽しみなのはそうなんだけどやっぱりお母さんともう一度ちゃんと話したいなあ
二人で車に乗って着いたのは…
市内では一番大きいショッピングモールだった。 美奈子と時々プリクラ撮りに行ったり一人で楽器見にき来たりしてた時もあった
「今日はここしかなくて…ごめん」
なんて申し訳なさそうに言われた でも私はここで十分すぎるくらいだよ?
「大丈夫ですよ?私ここ好きなんです!」
「そう?よかった…どっか行きたい店とかある?」
私の答えは決まっていた
「楽器…」
すると春仁さんは微笑んで私の手を握った 一瞬びっくりしたが何だか心地よくて私も手を握り返した
