「…て」「…きて」 なんだ…? 私は一体… 「起きてってば」 ぼやけた視界に映し出されたのは、眩しい光と大きな十字架。 「はっ…!?ここは…!?」 「っ!びっくり…もう、いきなり大きな声出さないでよ」 私のすぐ後ろから、幼い声が聞こえる。 ここは“ヒト”の住む世界なのか? いや、確かに私は闇いたのだ。決して抜け出せるはずもない、無限の闇に。 「天使さん、だよね?」 とりあえず、声のする方に顔を傾けた。 「キミは…」 まるで女の子のような、可愛らしい男の子が私の背中を見詰めていた。