「天使さん、ケガしてるの…?」 少年に笑顔はない。 私は自分に何が起きているのか分からない… “天使さん” 少年のこの言葉が引っ掛かる。 「天使とは、私のことか…?」 「そうだよ!でも天使さん…羽が…」 羽…? 私は自分の背中に目をやった。 「これは…!?!?」 毟られた片翼。血の跡が生々しく残っていた。 とても酷いザマだった。